トラック運転手がハンドルの上に足を上げて休憩しているのを見たことはありますか?
はたから見るとなんだかお行儀が悪いですね。
なかなか乗用車でハンドルに足を上げている方は少ないと思いますが、なぜトラックの運転手はハンドルに足をのせているのでしょうか?
私がトラックドライバーに成り立てだった1990年代からこの光景は見かけたものです。
それでは運送屋経験20年以上の私が足上げ休憩運転手の実態を解説しましょう。
血行を良くするため
トラックの運転は長時間に及ぶため、身体の血流が悪くなりがちです。
最大で4時間の連続運転をするため、エコノミー症候群防止のためにも休憩中は足を体より高いところへ置き、血行を良くするのです。
足を上げ、伸ばすことによって、足にたまった血流がよくなり、気持ちがいいのがわかります。
眠すぎて助手席や寝台に移動できない
積み込み作業や長時間運転、はたまた食事をとりすぎて眠気が増すことがあります。
とにかく運転の仕事は事故を起こしたら元も子もありません。
いざ休憩を!となっても助手席や寝台に移動する余裕がない時もあります。
そんな時は安全な場所に停車をして、そのまま足をハンドルに乗せて休憩をします。
お行儀が悪いですが、事故を未然に防ぎ、運行再開のために必要に応じてとっている行動だったのです。
寝すごしてしまわないため
寝台が装備されている車両では、そりゃベッドで寝たほうが気持ちよく寝れるってものです。
しかしトラックドライバーは目的地や時間の制限があるため、眠りすぎてしまうことはNGです。延着してしまっては荷主・顧客・会社への信頼を失ってしまいますね。
そのためにあの足を上げて寝る格好は実はある程度時間がたつと体がしびれて自然と起きてしまうのです。
つまり、寝過ごし防止のためでもあったのです。
デメリット
実はあるあるなのですが、ハンドルに足を上げるということはクラクション(ホーン)スイッチの近くに足をのせるということです。
うっかりホーンを鳴らしてしまうと、その音の大きさのあまり飛び起きてしまうこともあります。
たまーにホーンが鳴っているのを聞くと、慌てている運転手さんを見かけることがあります(笑)
終わりに
私もどうしても眠たい時にはさっとトラックを止めて足上げ休憩をしたことが何度もありました。
個人的にはリクライニングをガッと倒して、顔にタオルをかけて寝ると一瞬で眠りに入れました(笑)
疲れているときは少しでも仮眠するとさっぱりしますので、無理せず休憩することが大事なことだと思います。
以上、トラック運転手がどうしてハンドルに足を上げて寝る・休憩するのかを解説してみました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
コメント